Kankyu

マテリアル 


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     Kankyu Oshitsu   

Material

***自分が必要に迫られ加工や自作または購入した手放せないマテリアルを紹介***

*セルフバイアスのプレート損失計算 *固定バイアスの調整とプレート損失計算 *マッチングペアーチューブについて *ビンテージアンプのトラブル原因と対策 *良い音にする配線と半田付け指南 *6RA8の代替に6BQ5(EL84)を使用する方法 *2現象オシロスコープDACWaveGene信号発生ソフトでアンプの測定と調整が容易

ティアック UD-301-SP DAC
ネイティブ再生DSD 5.6MHzやPCM 32bit/192kHzファイルといったハイスペックなデジタルオーディオの世界を体験でき、96kHz以下のデジタル入力信号に対して、2倍または4倍のアップコンバージョン処理を選択可能。デュアルモノーラル構成でL/R回路の分離と強化電源で応答性の良いD/Aを実現した。
メイン演奏の輪郭がリアルに迫り、かつバック演奏の細部も表現・・・感動!
パラメーターの多いレコードに代わり客観的なTOOLソースとしても音質パワーアンプ等の評価が可能である。
再びCD音質には戻れない滑らかさと透明感が味わえる。
 



現行使用例 インターネットAPP・音楽ソース・音楽動画配信 -->WIN10PC(DSD再生ソフト等)+ASIO・DSD-DACドライバー -->USBケーブル・デジタル信号--> DAC(ティアック UD-301-SP) -->RCAケーブル・アナログ音声信号--> プリアンプAUX入力(マランツ7) -->パワーアンプ(JB300B)-->スピーカ(タンノイ・SRM)
昨今、自粛の世に合わせて部屋に居ながら、配信の映画やライブなど前記の映画館システムによる迫力ある再生で存分に楽しめる。

DACを揃えたら、お勧めの高音質・音楽再生ソフト
Foobar2000はフリーソフトの王道で有名だが、英語版であるのとブラウズがテキストで少し味気ない。
そこで日本語インターフェイスの使いやすさと、グラフィカルな見栄えの良さで、主にTuneBrowserで再生している。
TuneBrowserは、ハードディスク上の音楽(Tune)ファイルを整理し、 ブラウズするためのツールである
DSDネイティブ再生やハイレゾ音源の再生用でASIO/WASAPIなど、再生音質にこだわる人向けの音楽再生ソフト
リ・サンプリングやビット・パーフェクトの変更が可能で、良いアナログ・レコードを聴いているような自然で豊かな音である。
フリー・エディションでも十分な使い勝手で優秀なソフトである。・・・・感謝!

https://tunebrowser.tikisoft.net/download/

@SP X PAチェンジャー
2台のAMPと2台のスピーカーをクロスして切り替える市販のAC200V用の4ピンプラグ2個(SP側)と2口コンセント1個(PA側)を使用して製作した。
プラグ差し替えて、聞き比べに便利だ。
SP出力ダミーロードの製作 Fでのオシロスコープの観測ではスピーカに大きな音が出るため、騒音やSP破損の危険がある。
そこでAC200V用の4ピンプラグを利用したダミーロードを製作した。スピーカへのコードに6.8Ω・30Wの抵抗器を取り付けただけの物であるが
上記のSP-PAチェンジャーのコンセントに差換えるだけで簡単に測定の設定ができる。

     SP X PAチェンジャー               AC200V用一口コンセント利用で製作 PA出力側
      

  SP出力ダミーロード: AC200V用プラグ利用で製作

SP出力ダミーロード配線図:ピン番号はSP側とPA側を合わせておけば任意で良い。 抵抗はレールを使い一体化で固定したが別途放熱板などに取り付けても良い。
   

  PCで起動したWaveGene(フリー・ASIO対応)の出力波形--> DAC経由でRCAライン出力-->プリアンプ、パワーアンプ--->SP出力ダミーロード-->2現象オシロスコープ観測波形

 パワーAMP出力にスピーカ・ダミーロードを接続時L・R終端抵抗の2現象オシロスコープ観測波形

 
  WaveGene出力 サイン波      (フリーソフト作者に感謝!)
 
 パワーアンプ出力 サイン波 観測波形 レベル歪や位相ずれなどがチェックできる。 
  



      WaveGene出力  方形波   
  

 パワーアンプ出力 方形波 観測波形 トランジット(過度特性)、オーバーシュート、アンダーシュートなどがチェックできる

  

Aフェライトコアによる低ノイズ放射電源コード
CDプレーヤーの電源ケーブルにフェライトコアを入れ放射デジタルノイズを低減した。

   


B低定在波シェル
シェルはオーディオテクニカ マグネシュウム合金製の角を曲線に研磨した。(音に丸みが出たかも?)
組み合わせプレーヤカートリッジ MCタイプ DENON DL-110 高出力で昇圧機器不要 

 

Cターンテーブルシート自作 :
フェルトで自作 低音の伸びと高域の弾みが今までの材質の中で最もよかった。材料はホームセンターで床マット用フェルト切り売り3−5ミリ厚の硬めの物  意外と正確に丸く切り抜くのは難しい。フェルトは長年使い込むほど音が締まり、定位と残響感も安定するなど益々良くなる材質である。


Dスピーカー用アルミL字型インシュレーター :
自作スピーカー台と大理石板2枚の間にアルミL字アングル2本を挿んだ。イートンの低域ピークが改善され低音の抜けが良好となった。



Eプレーヤー用ボールインシュレーター :
LPレコードプレーヤーのインシュレーター(ゴム製)が経年劣化してきたので換わりに硬式テニスボールを受け皿(家具のフロアー傷防止用)で固定して取り付けた。
効果:低中域は音の粒立ちが良くヌケが良くなり、高域にも伸びと艶がはっきりと表現されてもやつきが一掃された感である。硬式ボールの中でもNP(ノンプレッシャー)が強度維持の点で良いだろう。こんなもので元より数クラス上のプレーヤーの音質に復活をしてしまったのは驚きだ。

写真下はガス入りの通常ボールだが経年で弾力が低下する。NP(ノンプレッシャー)タイプの方が長持ちするようだ。

    硬式ボールをフロアーキーパー(40ミリ)で挿む

下の写真では計4個のボールでプレーヤーを使用しているが、後部-2:前部-1の3点支持でも逆に安定性が良い。

 インシュレーターとして取り付ける。

さらに音を良くするには
ボールインシュレータの下にはコンクリートブロックを敷いていたが、前記スピーカー台と同様の大理石板(ホームセンターなどで購入)に替えたところ最適な響きになった。

F2現象オシロスコープ LS8022 リーダー電子
20MHZとはいえオーディオ用には十分な性能、勘に頼っていた歪バランス位相などアンプの動作を波形で確認し改良できるのは頼もしい限りだ。TVシンクセパレータ、バリアブル ホールドオフ、2現象X−Y表示など多彩な機能を持つオシロスコープである。2現象なので入出力やステレオ左右のチャンネルを同時に観測比較できる。注意点は10対1のプローブ2本が付属して400VP-Pまで可能としているがプレート用高圧DC電源を直接観測するのは故障の原因となるのでライン入力、スピーカ出力、アンプ内部波形はグリッド、などの低圧部で観測するようにしたい。ライン入力にはサイン波、矩形波などの信号発生器が有ればさらに便利である。ライン入力にDACを使用している場合は接続しているPCにWaveGene(フリー・ASIO対応)などの信号発生ソフトをインストールするだけで正確な測定が可能である.。なお騒音、SP破損防止にSP出力には@で紹介したようなダミーロードを接続して観測することを推奨する。

 業務で使ってはいたが、ついにマイ・アナログ・オシロスコープ(LS8022 リーダー電子)を購入
   最近はデジタル測定が主流だが、レトロの使い慣れたアナログが良い
    


Gテスター MT-4070 :
特徴はカップリングコンデンサーなどの容量を測定して不良を発見またPP特性を合わせることができ重宝している。周波数カウンタ機能があり 周波数特性の把握に便利。仕様:4000カウント多機能タイプ 容量・周波数・ヂュ−ティ比 オ−トパワ−オフ・D−タ−ホ−ルド 注意点としてオシロスコープでも記したがプレート用高圧電源を直接観測するのは故障の原因となる。 昔ながらのアナログテスターなら1KVまで観測できるが危険性は避けられない。

   

セルフバイアスのプレート損失計算
セルフバイアスは自己バイアス、オートバイアスとも言い無調整回路である。カソード又はフィラメント側に数百オームから数キロオームの抵抗をGNDとの間に入れることで電圧降下によりカソードに対してグリットに(マイナスの電圧)バイアスを与える。長所はプレート電圧が変化しても自動的にバイアスの比率すなわち増幅度は維持され安全動作範囲が広いため、A級増幅のWE300Bなど多くはこの方式を推奨している。
計算方法: 300Bを例に取るとA級シングル動作は最大規格として 出力:17.8W、プレート損失:40W、EP:450V、IP:80mAとなっているが、この状態のまま持続使用できるわけではない。1万時間以上のロングライフにするため、最大規格の約90-80%以下を推奨する。図Aでは、規格特性表からバイアス:-67VとするとIP:67mA流すにはカソード抵抗は約1Kオームとなる。プレート電圧404Vなので、球に加わる正味の電圧は404V-67V=337Vでプレート損失は0.067A×337V≒22.5W SP出力:8W と余裕の動作に設定される。オートバイアスとも言われるように基本的にはメンテナンスは必要ないが球に敬意をはらい無理をせず貴重なオリジナル真空管などを末永く楽しみたい。
プレート損失 : 球のプレートとカソード間に架かる実電圧とA級増幅の場合、無信号時に流れている電流を掛算した発熱やロスも含む総消費電力のこと。
SP出力: 球で増幅されたオーディオ信号がアウトプットトランス(OPT)を通過してスピーカを駆動できる電力のこと。
図A    


                    
バイアス電圧降下用カソード抵抗図中矢印の消費電力は0.07A×70V≒5Wであるが実際には2倍(10W)以上のW容量の余裕が必要である。またPP回路2本の球を1本のカソード抵抗で兼用する場合、当然ながら抵抗値は1/2としてW容量は4倍とする。

固定バイアスの調整とプレート損失計算
固定バイアスはAB、B級増幅などのプレート電流が変動する回路に用いられ、一定のマイナス数十ボルトの電圧を作り強制的にグリットに加えることで増幅度を保つため電源の変動に影響されない安定動作を望めるが、調整を必要とし不適切だと管の劣化を早める場合もある。電源投入後5分ほどしてから無入力信号状態でカソードとアース間に入っている10オームの抵抗両端の電圧を計り、KT88/6550でAB1級増幅の場合、規格表から安全範囲のIPを流すバイアス値を調べて全ての管が同じ電圧(例:0.3ボルト)になるように対応する半固定ボリュームを調整する。PPのバランスを完璧にするため対になる管を交互に2,3回繰り返し合わせこむ。さらに新管の場合は数時間エージングした後、再度計測して変化していたら再調整で合わせこむことで安定した音質と定位が得られるものと思う。これだけで見違えるような音になった体験もある。
計算方法 一本当り30mAをアイドリング電流としたのでプレート電圧400Vとすれば400V×0.03A=12W PPで24Wとなる。この時のグリッドバイアス電圧は−50V付近に調整されているはずである。AB1級なので大きな入力信号が入るとB級増幅動作領域になって電流も増加するが音楽のピークは短時間なのでプレート損失にはあまり影響しない。また試行として全管を同じく電流約20%以内の範囲で増減してみるのも良い。また固定バイアスは球の経年変化により再調整が必要でありIPがばらついていないか時々メンテナンスを行いたい。

    

図のEL34回路例ではグリッドにバイアス電圧−40V付近が強制的に加えられる。PP回路2本の球のカソードはGNDに直接接続するか電流測定用の10オーム程度の共有抵抗を介す。この場合は2本分のプレート電流として調整する。従ってPPバランスを共有のバイアスで調整するため各球の特性がマッチングされていることが必要である。

マッチングペアーチューブについて
出力管一本ごとにバイアスを調整できるほうが有利なことは言うまでもないが静特性カーブの一点を合わせているに過ぎない。本来どんな増幅素子にも特有の増幅カーブがある。右肩上がりの直線が理想であるがほとんどS字のようなカーブを持ち、また個体差(ばらつき)も存在する。下図WE300Bのバイアス(Vg)に対するプレート電流(Ip)の特性グラフを例に取ると、このカーブを出来るだけ合わせるようにセレクトしたものがマッチングペアーチューブである。メーカー、販売店によってはマッチング精度基準にだいぶ差があるようだ。精度は良いもので5%以内から悪いものは20%以上の差が見られる。ステレオバランスも考慮するとPPはクワッド、シングル回路でもL/RのCHに信頼できるメーカでマッチングされたペアーチューブを選びたい。

 WE300B Vg に対する Ipの特性表

プレート電圧(Eb)とは真空管のカソード又はフィラメントの中点とプレート間に印加される正味の電圧である。自己バイアス抵抗などがカソードに入っている場合などプレート対アース間の電圧とは限らないので注意する。

ビンテージアンプのトラブル原因と対策
オーディオ機器は他の家電機器や業務用機器と違い趣味のプレミアムやこだわりを持ったユーザーが長期間愛着を持って使用される。このため球、部品の劣化などで音に変化が起きても故障とは気が付かないで使用しているかも知れない。よく起こるトラブルをあげてみた。いずれも調査時のショート破損、感電事故には十分注意したい。

ハム音、歪音、音が濁る、高圧電源の電圧が低下 原因: 整流管のエミ減劣化、ブリッジ整流ダイオードの一個がオープン不良、平滑用電解コンデンサーの容量抜け、レコードプレーヤーなどのアース線や入力コネクターの接触不良 対策: 球の交換をしてみる。テスターのACレンジで交流成分が多ければ平滑コンデンサーの容量抜けである。外したダイオードの極性をテスターのD抵抗レンジで検査し+-どちらも導通がなければ不良である。いずれも疑われる部品を同等品に交換してみる。交換用とする平滑コンデンサーの容量は元の表示値より大きくしすぎると返ってサージ高調波などのノイズ発生源となるので注意を要する。また耐電圧に余裕がある物が望ましい。信号系では外部入力コネクターを磨く、アース浮きの検査(アース端子の緩み半田不良)などを行ってみる。

 整流管式電源回路例 平滑コンデンサーはC10とC11

音の定位やバランスが悪い、片CH歪音、フリッカノイズが出る 音が途切れる 原因: 球のLR又はPPマッチングが悪い、球のエミ減劣化、カップリングコンデンサーのリーク、ボリューム抵抗類の値変化 対策:LR-PP間の対になった球を入れ替えて音の変化を聴く、球の交換。カップリングコンデンサーのリークは自己バイアスの場合グリッド側の電圧が対アース0Vになっているのが正常でプラスになっていたら漏れ電流不良。固定バイアス回路は球を抜いてバイアス電圧のバランスを見るPPで数10%も違っていたら電圧の高い側のCがリーク不良。ボリュームや抵抗の場合はLRなど対になっている回路をテスターで抵抗値の比較をしてみる。測定値が異常であれば部品を交換する。通常は合成抵抗となるので表示と同じか低めになるのが正常、数10%高くなるものは抵抗器の不良である。正確な抵抗値を測定するには部品を外し単品で表示と合っているか確認する。いずれも疑われる部品を同等品に交換してみる。交換用とするカップリングコンデンサーは電解型よりオイルペーパーさらにフイルム型が漏れ電流、周波数特性ともに優れているので参考にしたい。球の場合は予備のペアー品を持っていると検討し易い。他に入力切り替えロータリースイッチの接触不良は接点復活剤を少量塗布して繰り返し切り替えを行い馴染ませる。また時々は必要なくても切り替え動作を行う。

  自己バイアスPP    固定バイアスPP

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真空管アンプのトラブル解決Q&A(読者からの質問による抜粋)

 Q1− マランツ8Bバイアス調整出来ない

 マランツ8BのEL34のA2のみバイアス調整出来ない
動作正常ですがゼロのまま真空管は全部交換しましたが同じです教えて下さい    

 A1−Re: マランツ8Bバイアス調整出来ない件 
ご質問の件ですが、下記の原因と推察されます。    

  ・EL34を全て外した状態でG1の電圧を測定する
  (1)  0ボルトならA2のVR、R関係の断線不良
  (2) 電圧がプラスならA2に接続のカップリングCの漏れ電圧の不良
  (3) ステレオならば対称の回路と電圧を比較して特定する。  

Q2−マランツ8Bの件解決しました 

OUTPUTトランスの断線でA2のプレートに電圧が掛かっていないのが分かり配線回路を(知人に)一部改造してもらいました 
A2のみ3Wの抵抗をつけて巻き線抵抗を測定してもらいました VRとRとCの値は正常でした 
コンデンサーの オイル漏れもなく A2からEL34のプレート電圧のみNGでグリッド電圧もほぼ正常です。
A1の EL34の真空管が異常に熱をもち真空管が駄目になるので知人に修理して貰いました。 
内容は 3Wの100Ωと30Ωの抵抗でバイアス調整しなくても良いようにA2のみしてもらいました。
トランスコイルの巻き線が断線していたのが不思議です。
製造して約50年経っていますからどんな故障がおきても不思議で無いですが。
同じOUTPUTトランスを探しましたがありませんでした。

A2−マランツ8Bトラブル解決出来たようですね。

 ちなみに下記の処置ではEL34プッシュプルがアンバランスになってしまう気がしますが?
 OPTの何処が断線したかによりますがUL接続端子からプレート電源を供給したものと思われます。
またA2のみ自己バイアス回路に変更した場合、ステレオに違和感が発生しないでしょうか?
後学のためお知らせいただければ幸いです。

Q3−マランツ8Bのバイアスの件でお知らせします 

AチャンネルのA1の中性線から金属皮膜抵抗までトランスの内部抵抗を測りなおして少しAチャンネルが
アンバランスになっているような感じです。
同じOUTPUT トランスが無いと聴きました代替品も無いといわれてショックでした。 
もう一台マランツ8Bがありますので聞き比べても違いが有ります。良いアドバイスがあれば教えて下さい。

A3−REマランツ8Bのバイアスの件でお知らせします 

トランス断線復活の荒療治ですが、駄目元で球を全て抜いた状態で電源を入れ
A2プレートとGND間を100Ω程度を介して(ぱちぱち)短時間ショートしてみる
まあ電気溶接の要領ですがこれで復活すればラッキーです。
EL34のPPトランスはRL=3.4Kですので代用品で多少数値は前後してもOKなので
取り付け外寸さえ何とかなれば、他の球用でも代替品の可能性は在ると思います。
ただし交換する場合A.Bとも交換する必要がありますが、ステレオ感はバランスが取れると思います。ご健闘を祈ります。

Q4−8B回路図のAチャンネルのプレートの3番電圧が出て居ないのでトランスから第二グリッドの100Ω抵抗に変更し
もう一方の30Ωの抵抗を追加して中性に結線して有ります。
結局上のコイルは上と下のコイルを使い下のコイルの中性に接続して有ります。
下のコイルの中性線から30Ω抵抗使って上のコイルの下に接続して有ります。
Aチャンネルが少しアンバランスなっているみたいだと思います。
AMP修理工房に問い合わせましたら、トランスの巻き替えは出来ますが6万〜8万かかるとの事、
実際に高額のお金を賭けて修理の価値がありますか良いアドバイスお願いします。

A4−8Bのトランスの巻き替えが高額なようですが

8Bはマランツの名機であり、オリジナル完全復元して美品であれば、ビンテージ市場では修理費の10倍ていどの価値があると思いますが?
すでにもう1台所有しておられるようなので、そのまま部品のバックアップ用に保管しておくという方法もあります。

Q5−管球王室様 一つ教えて下さい 

今現在マランツ7とマランツ8B二台でLOWとHIとネットワークフィルターを使って音を聞いています。
今ネットで中国製のEL34のアンプが安く販売していますが実際の音は違うんでしょうか追加で購入も考えましたが少し不安です。

A5−代替アンプの購入の件

マランツ8B二台でLOWとHIで聴いているそうで、豪華ですね
中国製のEL34アンプですが、多分8Bを超えるものは無いと思います。
HI側はWE300Bなどの3極管シングルアンプのほうがお勧めです。
購入するとしても、球はGDなどの中国製よりもロシアEH・スロバキアJJ製に交換したほうが良いです。
もちろんWE, RCAなどオリジナル管ならば最高ですね。

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6RA8の代替として6BQ5(EL84)を使用する方法
MT出力用3極管としてLUXの名機SQ-38 に使用された6RA8の互換同等品は現在ほとんど見当たらないため幻の存在となってしまった。
したがって代替するには6BQ5(EL84)5極管等をソケットでピン番変更して3極管接続として使用する。

6RA8 MTソケットピン配置図
 

6BQ5 MTソケットピン配置図
 

具体的には上記ピン配置を両者比較すると6RA8に対して6BQ5ではソケット2ピンがG1、3ピンをKと逆にする。
また9ピンがG2だが都合の良いことに3結のため7ピンPと接続するので比較的簡単にソケット変更できる。
注意点として6BQ5はプレート負荷抵抗RLと増幅率gmが高いので入力オーバーで歪が発生しないようにG1に直列抵抗を数十kオーム入れる。
6RA8の内部接続のもう一方のG-6ピンに実体配線がある場合は6BQ5のG1にあたる2ピンにショート線で配線する。
またG1には今まで直列に入っていた10倍程度の抵抗(10KΩ)を調整して音量、歪みなど違和感の無い値とする。
これは回路によって前段の増幅度が異なるので一概に決定できないことと、発振防止抵抗の意味もかねている。
プッシュプル回路の場合対称の球を2本共差し替えないとバランスが取れないのは推察の通りである。
6RA8は代替品がないため、いずれは全て差し替えていかなければいけない宿命にある。
代替球は仕様からみて出力は同等であるが外部3結とするため音質はオリジナルには及ばないものとなろう。
残念ではあるが、あくまでもビンテージ管が使用できなくなった場合アンプ本体を救済するための苦肉の策である。
ちなみに他に6CW5(EL85)も同様に代替使用できる可能性がある。
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ビンテージ真空管のトラブル解決Q&A (読者からの質問による抜粋) 

*6RA8を6BQ5に差し替える(事例1)

Q1-読者Aさん
不意にluxkitのA2500を貰ったのですが6RA8の真空管が1本割れていて
ネットで探しても高価で中々買えずに調べているとこのページにたどり着きました。
まったく素人で教えて欲しいのですが6RA8を6BQ5に差し替える時ですが
2ピンと3ピンを入れ替えて9ピンを7ピンにブリッジするまでは理解できたのですが
6ピンにつながっていたGの配線はどう処理すればいいのですか?
またG1にはどの程度の抵抗を入れればいいのですか?
全くの文系で理解ができずに恥ずかしながら御教授していただければと思いました。

A1-管理人
ご質問の件 6RA8の内部接続のもう一方のG-6ピンは6BQ5のG1にあたる
2ピンにショート線で配線してください。
またG1には今まで直列に入っていた10倍程度の抵抗(10KΩ)を調整して
音量、歪みなど違和感の無い値とする。
これは回路によって前段の増幅度が異なるので一概に言えません。
また、プッシュプル回路の場合対称の球を2本共差し替えないとバランスが取れません。
6RA8は代替品がないため、いずれは全て差し替えていかなければいけない宿命です。
当王室の真骨頂でも在りますが、実践あるのみですね。

Q2-読者Aさん 
 先日、教えて頂きました方法を実行してみました。
 タイトソケットを改造しアダプタを作成しました。
 無事音もなり完成した感じです。
 実際問題、6RA8から差し替えた感じも音に艶が出たような気がします。
 これといって6RA8にこだわる必要もないのかなと思いました。
 これから真空管アンプについて色々調べて試してみたいと思います。

*6RA8を6BQ5に差し替える(事例2)

Q3-読者Bさん 
SQ38Dは6RA8を使用しているが、入手が難しく6BQ5に変更を考えています
ピン配置等は異なるので配線変更は必要ですが
電源トランスやプレート電圧、回路上の抵抗値等の変更は必要なのでしょうか?

A3-管理人
アンプ本体回路によりますがソケットピン変更でほとんど問題ないようです。
注意点としては6BQ5の空きピンである6ピンが6RA8元回路で使用されている場合の処理を確認することです。
前例のように変換アダプタを製作して本体は改造せず試してみるのも一案です。
6BQ5はGm(増幅度)が高く、ハイインピーダンス出力RL=5kオームの近代管なので
大きい音にクリップ歪が多いようでしたらグリッドに抵抗を入れる等、入力を少し抑えた方が良いと思われます。
  
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良い音にする半田付けと配線のコツを指南
  どんなにすばらしい回路や部品を使用しても組立て配線を合理的かつ確実に行わなければ
  ノイズ、歪、バランスなどの不具合が発生して本来の性能を発揮できない。
  逆を言えばそこそこの部品でも、組み方によっては数倍の良い音が出る可能性がある。

配線
  @ ヒータ系はツイスト配線とし信号系を出来るだけ離す、交差する場合は各配線を直角にする。
  A 信号系アース配線もリターンの信号線と考えて重視し不用意に電源系に近づけないこと。
  B 高圧電源、平滑コンデンサーのアース側は電源トランスに最短で戻してやること。
  C なるべく各CH、各段一点アースとしてシャーシに余計な電流は流さないこと。
  D 見た目にこだわりすぎた長い引き回し配線や不用意な結束をしないようにする。
  E 電解C、カップリングCなど振動する部品は結束バンドかシリコンゴム接着系で固定する。
    なぜ固定するのかは管球伝説の用語解説マイクロフォニックノイズを参照。

はんだ付け
  半田付けのトラブルをなくすため配線端末は基本的に端子に確実に絡げて半田を行う。
  うまく絡げられない込み入ったり狭い場所は先端を曲げておくだけでも良い。
  絡げない「べた付け」は芋半田(引っ張ると抜ける)となりやすく信頼性に欠ける。
  どうしてもベタ付けにするしかない場合は両者にあらかじめ予備はんだをしておく。
  複数の配線が端子に入るものは絡げてだけおいて、忘れずに後でまとめて半田する。
  線材の被覆を剥くときは芯線にキズがつかないようにして、端末処理は軽く撚ると端子に通しやすい。

  端子の大きさによりコテの大小を選ぶ。コテの温度は可変できるものが良いが
  固定であれば半田箇所に当ててから数秒で半田が溶けるのを目安としW数を選ぶ。
  温度が低いとボテボテになり「天ぷら半田」(線材と馴染まない)になる。
  半田が酸化して紫や白くなるようでは熱すぎかコテを当てる時間が長すぎる。
  コテ先は水を含ませたスポンジなどに擦り、そのつど酸化した半田を除去する。
  
  @半田箇所へコテを数秒あて予熱する。 
  Aそのままの状態で糸半田を半田箇所へあてて、馴染むように溶かしこむ。
  B端子と線材へ半田が吸い込まれるように広がり、ツヤがあり線材の周りにフィレット
   (富士山形)が形成されること、線材の形が確認できる程度の時間と半田量で良い。

やに入り糸はんだ
電気回路には糸状で中央にフラックスが封じ込められている「やに入り糸はんだ」を用いる。
以前は鉛65%錫35%融点240℃のものが使われていたが、最近では有害な鉛を排除する方向で技術開発が進み、
家電業界では鉛フリーはんだが主流となっている、しかし融点が高く初心者には難しいためお勧めしない。
環境問題には反するが鉛はんだの方が融点が低く流れが良いため綺麗に仕上がる。
今のところ鉛の有無と音質の関係は未確認。

・・・用途に応じて2.0、1.6、1.4、1.0などの太さがある

はんだごて
  18W〜25W程度の小型のものはプリント基板など繊細な回路パターンのはんだ付けに向いてる。 
大きな端子にはんだ付けする場合は30W〜100Wの容量の大きなはんだごてを使う。
鉛フリーはんだを使用する際は2〜3割温度を上げないとはんだが良く流れない。

 

温度調節可能な専用のハンダ小手は高価(2〜3万円)なので、使用頻度の少ない方は
W数にあわせたヒーター・照明などの汎用コントローラーを使用しても温度調節できる。

カラーコードの読み方。
抵抗器、コイル、コンデンサーなどに表示されているカラーコードはライン間隔の狭い側が上位の桁。
(値): 黒=0 茶=1 赤=2 橙=3 緑=5 青=6 紫=7 灰=8 白=9  (乗数): ×10乗数カラーコード
(精度) 銀=10%(0.1) 金=5%(0.05) 赤=2%(0.02)・・・ 等
3桁表示例:抵抗値 茶黒赤(102) 銀(10%)=1Kオーム 精度10%

           --{ I I I  I  }--

4桁表示例:抵抗値 茶黒赤赤(1022) 金(5%)=10.2Kオーム 精度5%

           --{ I I I I  I  }--

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