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TRIODE-PSVANE-WE300B
精密に復刻された、ウエスタン300B。 TRIODEがその品質と、音質に惚れ込んだ! TRIODE製品のグレードアップ用として、あるいは汎用300Bアンプのグレードアップ用真空管として 十分な性能と安定度を誇る高品位な真空管である。 真空管のベースにシリアルナンバーとPSVANE 300Bロゴが刻印されている。


TRIODE-PSVANE-WE274B
外観、内部構造、材質など細部にわたり忠実に再現されている。違いは正面ベース部のシリアルナンバーとゴマークのみである。保証書、説明書が添付されていて、音質のみならず品質に対する自信が見える。

 
自作キット奮闘記

JB300Bキットの画像は部分的に説明用としてカタログよりのもので、著作権は発売元にあります。
末尾にキット音質改良の「試行錯誤日誌」を掲載しています。
  

300Bシングルアンプ
自作してみようと思いたったが、部品レベルから集めるのもなんだか大変になり、サンバレー JB300B (発売元: ザ・キット屋)ハイコストパーのキットを発注、久々に管球を組んで見た。この価格で念願の300Bシングルアンプが組めるのはうれしいことである。なぜ「シングル」なのか?は 王道室 もご覧頂きたい。では逸る気持ちを抑えて慎重に作業に取り掛かる事としよう。これから管球アンプを組んでみようと考えているツワモノ諸氏に少しでも参考になったら幸いである。

キットの内容
パワーアンプ 整流管:5AR4 入力段:12AX7(パラ接)*2 ドライバー:EL84(3結)*2 出力管:300B*2真空管付KIT 300B(サンバレープレミアムセレクト) EL84(JJ製) 他(ゴールド・ドラゴン製)最大出力8W+8W *ステレオ DF: 3NFB: 6dB 出力管ヒ−ターは直流点火でハムノイズを低減。全て手配線の中上級向けのキットであるが、シングルアンプで部品点数と調整箇所も少なく、マニュアルを熟読し、はんだ付けの腕を磨けば初心者からでも可能。回路図は管球資料室を参照。

1. 準備 
キットが届いた。梱包は丁寧になされていて安心感がある。



マニュアルや説明は、わかり易く書かれているので手順に沿って部品を確認。完全自作のように接続図を見て部品を集め組立て配線するのから比べると天国である。マニュアルには部品リスト、回路図、実体配線図、組立て手順、が載せられている。

取り揃えておくもの

@工具 
(ニッパー、ラジオペンチ、ワイヤーストリッパー、ドライバーセット&ボックスレンチ、ヘックスレンチ、ピンセット、紙やすり、ハンダゴテ、作業手袋)など大小用意したほうがよい。(半田作業の玄人より・・)

A副資材 
結束バンド(付属品より長い物)、シリコンゴム系接着材、スズメッキ単線1φ位少々・・あると便利 フラックス入り糸半田=最近は鉛フリー半田も出ているが、普通の鉛入り半田が仕上がりが良い。

B測定器 
マルチテスター(1000V位の高電圧と抵抗値が測れる物、感電防止の手袋使用する)
レベルメーター付のレコーダーデッキ等(入出力レベルとバランス確認用)・・あると便利 
オーディオチェック用のCD、レコード等の基準音源
耳測定器(生演奏を聴くなど王であるオーディエンス自身が心地よいと思う基準を鍛える)仕事で使用している様なオシロスコープ・スペクトラム、オーディオアナライザーなどで測定できれば早く確実だが測定値など考えず、ここはアマチュア的直感を頼りに勝負しょう。しかしマテリアルは良いものがあるに越したことはない。

2.組立て配線 -@ 
シャーシにソケットとトランス類を方向確認して取り付ける。塗装シャーシなのでアースポイントは指示通り忘れずに装を剥がしておく。300Bソケットはタイト製で絶縁・耐熱性が高いが割らないように注意して取り付ける。

  

マニュアルにはないがパイロットランプ(整流管ヒーターに接続)には高圧が架かるので空ナット等でシャーシから浮かせる。それでも不安な方は6.3Vのヒーターに接続する。私は後で発光ダイオード+2KΩ 1/2W に換えた。トランス、チョークコイル類とシールドケースは重厚な作りである。OPTは1次2次側ともインピーダンスセレクトできるユニバーサルタイプである。これは後で他の出力管とスピーカーを選択できることを意味するので末永く活用できる。ケースを被せる前に1次側は高圧が掛かるため、誤配線と端末処理のチェック、1,2次とも各巻線極性を確認する。(間違えると音は出ても後で悩む事になる!)NFBの配線も忘れずに引き出しておくこと。塗装のキズ防止のため入っていた紙箱などでカバーしておく。

    


3.組立て配線 -A 
ヒーター、アース、高圧V、ソケット内配線など下側になるものから配線をする。半田付けのトラブルをなくすため、配線端末は基本的に端子に確実に絡げて半田を行う。絡げない「べた付け」は芋半田(引っ張ると抜ける)となりやすく信頼性に欠ける。複数の配線が端子に入るものは絡げてだけおいて、忘れずに後でまとめて半田する。線材の被覆を剥くときは芯線にキズがつかないようにして、端末処理は軽く撚ると端子に通しやすい。正しい半田付けのコツ 詳しくは マテリアルージ参照 端子の大きさによりコテの大小を選びコテの温度は可変できるものが良いが固定であれば半田箇所に当ててから数秒で半田が溶けるのを目安としてW数を選ぶこと。温度が低いとボテボテになり「天ぷら半田」(線材と馴染まない)になる。半田が劣化して白くなるようでは温度が高すぎるかコテを当てる時間が長すぎる。コテ先は水を含ませたスポンジなどに擦り、そのつど酸化した半田を除去する。
@半田箇所へコテを数秒あて予熱する。 
Aそのままの状態で糸半田を半田箇所へあてて、馴染むように溶かしこむ。
B端子と線材へ半田が吸い込まれるように広がり、ツヤがあり線材の周りにフィレット(富士山形)が形成されること、線材の形が確認できる程度の時間と半田量で良い。
  


4.組立て配線 -B 
抵抗など上になる部品を取り付け後、枠を載せ前後パネルの端子、電源SW、音量RVを配線する。

真空管をオブジェとして撮影・造形美としてもそれぞれ個性と魅力のある存在だ。
撮影用データ : デジカメ1眼レフ PENTAX K10D
TAMRON AF28-75 F2.8 XR Di  絞り開放 スポット照明+自然間接光 三脚使用

ここで少し中休みST管でも眺め冷静に作業状況をチェックして作業工程の落ちがないか?を確認しょう。意外に先にやっておくべきこと(部品の下側になって見えなくなる配線など)を忘れているものだ。
ノイズを少なく、スピードの出る音にする:S/Nとはシグナル(S)をノイズ(N)で割った比率で、ノイズが小さいほど原音が際立つ。要は、同じ増幅度のアンプでもノイズが少ないと高感度に値する。
@ ヒータ系はツイスト配線とし信号系を出来るだけ離す、交差する場合は各配線を直角にする。
A 信号系アース配線もリターンの信号線と考えて不用意に電源系に近づけないこと。
B 高圧電源、平滑コンデンサーのアース側は電源トランスに最短で戻してやること。
C なるべく各CH、各段一点アースとしてシャーシに余計な電流は流さないこと。
注意!美観中心の長い引き回し配線や不用意な結束をしない、(特にヒーター配線と信号配線など)



5.組立配線検査
部品や配線を半田付けした箇所をスポットライトと拡大鏡を使い見る角度を変えて入念に検査する。裏側や部品の陰で見えにくい箇所はデンタルミラーで確認し不審な箇所はピンセットなどで配線を動かして確認、部品の取り付け間違いが無いか、誤配線が無いか配線図と比べてチェックする。特に電源部の電解コンデンサー、ヒーター電源整流ダイオードの極性には注意。テスターのオームレンジで各高圧電源がアース落ちしていないか絶縁チェックをする。

6.調整 -@ 
@.配線電解コンの極性半田付けチェック後、真空管なしで火を入れ、パワートランスのAC出力電圧を確認
A整流管を除く球を挿しヒーター点灯と電圧を確認、異音、異臭、発煙に注意しすぐ電源を切れる用意。通常では電源の瞬断はヒューズを飛ばす場合があるのと球を劣化させるので行わないこと。
B整流管を挿し各高圧DCを確認、ヒューズが飛ばなければ、まずは成功!
くどいようだが作業には感電防止球に指紋が着かないようにゴム引き手袋使用が必須である!また電圧測定時は直熱ヒーター保護のため本などを管以上の高さに積み上げ、通電時は管内フィラメントが垂直になるよう本体を上下反転して行う。

7.調整 -A 
音量RVを絞りスピーカー(ダミーがあればベスト)接続、ハム音が少し出ていればOK。ハムバランサーRVを回しハム音が最少になるように調整する。ハム音が調整しても小さくならないときは、配線確認と周りのアースが確実か確認する。ライン入力を少しいれ音量RVを少しずつ上げていき音が出たら大成功!!

  

電源をコンセントから抜き、高圧回路を放電してから、図のように配線を結束して体裁を整える。電解C、カップリングCなど宙に浮き振動しやすい部品は固定する。結束バンドかシリコンゴム接着系。銘板やRVつまみなど付け外観を整える。底板に足を付け、本体に取り付けて完成。

完成したJB300Bの姿態

整流管:5AR4 入力段:12AX7(パラ接)*2 ドライバー:EL84(3結)*2 出力管:300B*2

8.調整 -B
いきなりフルパワーにしないで小音量をいれ数時間慣らし運転をするとスピードとしなやかさがUPしてくる。エージングは場合によって数十時間かかるので根気よく聞き込み、じゅうぶんエージングしょう。 電源投入時は予熱時間を1分以上とり、電源の瞬断はヒューズを飛ばす場合があるのと球を劣化させるので行わないこと。動作点が変化して大電流が流れるため電源の再投入は数分おいてから行う。

9.細かな調整
聴き込むうちに左右のバランスなど違和感があればLとRの球を交互に一段ずつ入れ替えて見る。ハムバランスなども再調整する。ジャストマッチするところがあるはずだが、これで直らなければ部品と音量ボリューム、パラ接続、NFBなどの配線を再チェックする。

今後の改良
管球アンプの特権であるタマの換装をして楽しみたいと思っている。300Bの互換球は元祖WE300Bも含め現在15種類ほどある。整流管の5AR4は5U4G274BなどGTソケットのまま300Bと似合いのダルマ型になる。もちろんUX4ソケットに変更すれば5Z3などの古典管タイプも使える。カップリングコンデンサーもAMCO(630V、0.1μ)などのフイルムコンに交換するとF特がさらに良くなる。またその際は追加の記事を掲載したいと思う。

試聴スピーカー
スピーカーはタンノイのSRM(大型の方)とイートン(小型)に繋いで見ましたが300Bと言えどもシングル出力と由う事もあり、効率の良いSRMにて行った。タンノイ社のスピーカーは同軸2ウエイユニットの長所である点音源に近い定位感と空間表現が特徴 なぜツイーターとウーハーが同軸なら良いかは、スピーカーを自作した方なら理解していただけるかと思うが、両者を近づけるほど音の定位に存在感がでてくる。 これはタイムドメインから見ると点音源に近く(下記)現在では最も自然な方法だからである。(実際には音は一点から立体的に広がるがユニットバッフル面は平面のため半点音源?)同軸2ウェイスピーカーユニットの構造は王道室参照

 
試聴日誌
さて楽しみの試聴である。今までPPアンプしかなかったのでシングルはパワー不足が心配だったが、JB300Bは数値を超えた聴感パワーが有りさらに期待通り直熱3極管の特徴である高域の繊細で抜けの良さと中低域の厚みを併せ持つ三ツ星KITであった。

試聴用機器  カートリッジ:MCタイプ  DENON DL-103 +昇圧トランス:AU-320 
         真空管プリアンプ: マランツ #7(USA)
         スピーカー: タンノイ スーパーレッドモニター(SRM)
試聴レコード バッハ  バイオリン協奏曲1,2番  チェンバロ協奏曲1,5番
         チャイコフスキー、ラフマニノフの ピアノ協奏曲1、2
         ザ マイルスデイビス セクステット(JAZZ)  オリビアニュートンジョン(ボーカル)他

1.シングルの利点、PPで起こるクロストーク歪がないため弱音から滑らかで音のつながりが良い。
2.ブーミーでなく中低音にソフトな豊かさの中に弾力をもっているまた弦楽器の高域のハーモニーも美しい。
3.ボーカルやソロ楽器などは息づかいまで見えるようだが、サ行のきつさは無い。
4.オーケストラの迫力はPPに譲るも数値を超えた聴感パワーが有り音の粒立ちの良さと包み込まれるような一体感がある。
5.総評として、これまでオケ中心であったがボーカル、JAZZ、ポップス、などもハイエンドは確保されている
  ものの一切耳障りな音がせず、いつまででも楽しく聴けるようになった。
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